息を吐くと、活字に触れたいと思った。 ストレスから解き放たれたときは、決まって本が読みたくなり駅の書店へ急ぐ。 あぁ、本が読みたい。 柔らかい紙に触れて、インクのにじみ方ひとつひとつを丁寧にながめたい。 いや、そんなことはどうだっていい。 インクはにじんでなどいないし、しかしながらインクが紙に染みないと字を印すことは出来ない。 それらがしっかりと当てはまるだけの四角いマスを、ありありと思い出させるそろった文字たち。 縦に並んで、横にそろって、その上を視線が滑るのだ。 いや、そんなことはどうだっていい。 ああぁ、本が読みたい。 世界をOFFにして、活字と共にリ・スタート。 本が読みたい。 そんなことはどうだっていい。 私は書店へ急がなければ
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