我が愛する小さな悪魔へ。
アスファルトの上に転がっていた石がきれいだとか、あの雲がおいしそうだとか、明日は何をして遊ぼうなどと言っては日々駆けずり回る。 後を追うこっちの身にもなってくれと小さい体に訴えかけるのだが、それを知ってか知らずか、きみの興味の向く先は尽きることがない。
まったくもって小憎らしい我が愛する悪魔め。
「これ、ユキのたからものやけど、あげる」
そう言って青いビー玉を差し出す君のその小さな手のために、一体何が出来るだろう。
「とくべつやで」
ひとまず、タバコはやめるとして。
きみはまた笑った。